幸せに暮らしたい日記

未経験を一つでも減らしてから死にたいのに、小心者すぎてスマホという窓を通してしか世界を見ることのできない日々をそろそろやめたい人の心の叫びとメモ

メンヘラ欠陥住宅


満月が暗闇に帰り、

またそのふくよかな円さと

冷たい輝きを取り戻すまでの間に

 

新しい生命を育めなかった血液は

 

わたしの躰から追い出されていく

 

 

その寂しさなのか

 

断末魔の叫びなのか

 

わたしはその頃、かならず

 

消えてしまいたくなる衝動に駆られる

 

 


そう思うことは

 

だれかにこのどうしようもない存在を

 

受け入れられたいからなのだろうか

 

 

そう叫ぶことで

 

私は誰かにこの存在を

 

思い出してほしいのだろうか

 

埋まることのないなにかを

 

埋めようとしているのだろうか

 


そんな風におもっては

 

恥ずかしさに打ちひしがれ

 

突然を装って殺してほしいとさえ願う

 

 


だがそれは違うのではないかと

 

最近思うのだ

 

 


意味の分からないくらいの

 

圧倒的な愛情を

赤の他人から注がれるという

 

未経験の出来事を全く受け止めきれずに

 

右往左往する日々の中で

 


だれかに受け入れられたい

という気持ちは

 

そこまで強くないのではという

 

新たな見解が芽を吹いている

 


こんな欠陥住宅

 

住みたいと思ってもらえるなら

 

それはそれは有り難いことだと

 

意外とうまくいくんじゃないかと 

 

リフォームでもリノベーションでも

 

なんでもしてくれよと

 

 

なんとはなしに

 

一時的に扉を開けてみたのだけど


とんでもない間違いだったらしい

 

 

長きにわたる一人暮らしと

 

きちんとした恋人という存在を

 

持たなかった長い時間のせいで


私の心はいつのまにか

 

要塞と化していたようで


壁を塗り替えようとでもされれば

 

全身の力をもってして

 

それを阻止するようになっていた

 

 


欠陥住宅の借主は

 

そんな様子を目の当たりにし

 

「不思議だ」

 

とか

 

「そこがいいんだ」

 

とか

 

訳の分からぬ美辞麗句をもって

 

退去はしない様子で

 

そのくせ

 

この部屋には暖かさがなくて寂しい

 

だとか

 

つらくて生きていけないとか

 

泣き言を言う

 

 


この住人を見ていると

 

私を見ているようでつらい

 


だれかに恋をしているときの

 

私の汚さを全部集めたような

 

嫌悪感を覚える

 

 

思いの丈を黙っていることは

 

どうしてこうも人を苦しめるのだろうか

 

 

思うにそれは

 

その想いが

 

内側から躰を融かしていきそうなほどの

 

とてつもない熱量を持っているからで

 

 

 

もし自分の思いを外に吐き出せば

 

その熱量は伴われたまま

 

誰かの心を苦しめるのである

 

 

 

黙っているということは

 

苦行である

 

 

 

伝えて叩き潰される苦しみも

 

伝えない苦しみも

 

同じくらいじゃないだろうか

 

 

だからこそ

 

黙っていて欲しいのだ

 

 

黙るという努力を見せて欲しいのだ

 

 

メンヘラというのは

 

その苦しみを相手に預けて

 

どうにかしろと無言の圧力をかける

 

そういう汚いやつなのだ

 

 

そしてそれはわたしなのだ

 

 

同類を見て

 

初めてその醜さを知る